川崎フットボールアディクト創刊のお知らせ

ご存知の方も多いかとは思いますが、JsGOALが1月末をもって更新を終了し、新サイトの方に統合される事となりました。
Jリーグの取材情報を記事として公開する場として、本当にお世話になってきました。

JsGOALには感謝の気持ちしか無いのですが、そのJsGOALもホームゲームのみの取り扱いということで情報の半分は出せないという状況があったため前から川崎フロンターレ専用のニュースサイトを立ち上げようとは考えていました。

今回、いろんなタイミングが一致して、Webマガジンという形で、サイトを立ち上げる事になりました。声をかけていただき、クラブ側にも理解していただき了解をもらえました。掛け持ちもOKだと言われていたJsGOALの統合による運用の停止は想定外でしたが、そんな動きの中でできたのが川崎フットボールアディクトというサイトになります。

ユースチームと大人

 セリエAにアタランタというチームがある。セリエBから昇格して、いきなり上位争いに絡んでいるチームである。このチームの強さの秘密はすでに広く知られている。しっかりした下部組織を作り、そこで育った選手がチームの主力として活躍しているのである。それほどお金をかけなくてもいいのは自前で育てた選手だからだし、地元サポーターにとっても、自分の町から生まれたプロ選手ということで気持ちを入れて応援できるというものである。まさに、地方都市にあるチームが目指す方向を体現しているチームだといえる。

 このような成功事例を引き合いに出すまでもなく、ユースチームというのは非常に大事な存在なのである。と同時に、非常にデリケートなものでもある。彼らは人格が形成される途上の子供でもある。プレーはすごいのかもしれないが、人間的にはひよっこ中のひよっこといえる。世界ひよっこランキングでいうと132位くらいにランクされるくらいひよっこなのである。ちなみに、筆者の独自集計による世界ひよっこランキングNo1は、いたずらをしてお父さんに押入れに閉じ込められて、怖いよーと泣きわめいたあげくに寝てしまうおこちゃまである。

 それくらい(どれくらい?)、ユースチームはひよっこなのである(なぬっ?)。ひよっこのひよっこたる所以(ゆえん)は、もてはやされて自分の実力を正確に判断する事ができない点にある。トップチームの実力に比べるとたいした事はないのに、まわりからチヤホヤされてしまったら勘違いするのは間違いない。まわりとしては、「ユースレベルではうまいね」と評価を限定したとしても、そこはひよっこの悲しさ。お世辞込みの評価をユースレベルに限定しない評価だと捕らえてしまうのである。彼ら、ひよっこの世界観はとても狭いわけで、自分がユースの世界しか知らないということを忘れて、「おれってすげーじゃん。トップでもバリバリやれるよ、こりゃ。サッカーってたいした事ないね」と勘違いしてしまっても仕方ないわけである。選手に強い意思があるならまだしも、誰も皆弱いものである。「みんな誉めてくれるけど、自分はまだだ」とは思えないのである。だってひよっこなんだから。

 だからこそ、まわりにいる大人達はサッカー界の未来の宝物であるユースチームを、教育者という立場に立って大事に見守っていかなければならないのである。サッカー界の未来の宝物が、いつの日か中田英寿や、中村俊輔のような、日本代表に欠かせない大事な選手として世界に羽ばたくこともあるだろう。少なくとも、そうした可能性をつぶしてはいけないのである。もし、周りの大人達が対応を誤ってしまい、勘違いさせてしまったら可能性を潰された選手に申し訳ないし、チームを信じてお子さんを預けたご両親にも悪い。そして、その選手のプレーを見て喜びを共有できたであろう大勢の人たち全てに対して申し訳ないのである。もちろん、何十年たってもユースチームからそんな人材は生まれないのかもしれない。だけども、そうした育成の可能性を保持し続けない限り、すばらしい人材は絶対に生まれないのである。

 いつの日か、一度は経営破綻したサガン鳥栖ユースから、存続問題でゆれるヴァンフォーレ甲府ユースから、横浜フリューゲルスの生まれ変わりである横浜FCユースから、そしておらが町のチーム、大分トリニータユースから日の丸をつけるに値する選手が輩出される事を考えるとわくわくしてくる。そして、彼らがワールドカップの舞台に立つ日がくる事を想像すると、先の長いこの事業を大事にしていかなければならないと痛切に思うのである。

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